5アウトモーションオフェンス

5人全員が単純な約束事の元に動きながら状況判断してスペースを攻めるものです。基本パターンではポジションは固定されませんが、各自が得意なプレーを発揮することができます。ポストマン(センター)は中でシールすることができますし、アウトサイド(ペリメーター)のプレイヤーはペネトレートが自由にできます。

問 題 点

○ 1対1の力が無ければ攻めきれないので、もらい足からペネトレート、フェイク等を工夫した練習が必要です。ディフェンスとの駆け引きができるようになれば力の差が縮まります。

○ 中のスペースを狙うことを強調しすぎると、全員が集中してしまい、セーフティーが不在になってブレイクで簡単に攻められてしまいます。

○ 遠慮していると誰も攻めません。

○ 動きを速くしなければボールがまわらないので疲れる。特にボールミート、ミートアウトのときスピードが要求されます。しかし、ディフェンスするほうも疲れるので頑張らなければいけません。

○ 形をつくるまでは簡単ですが感性で動けるようになるまで時間がかかります。ディフェンスその他の練習ができなくなります。練習時間の短いチームでは指導者の忍耐力が必要です。

利  点

○ ポジションが固定されないのと均等に状況判断をする必要があるので個人のレベルアップに最適。

○ ガードがシールしても良し、外打ちの得意なポストマンが3ポイントを打つことも可能。

○ 状況判断がうまくできればディフェンスに読まれにくい。選手や指導者のひらめきで無限のオプションが可能。

○ 単純な動きの繰り返しなのにスピードがあれば複雑な動きに錯覚して見えるためスカウティングされにくい。

基本パターンの解説

図1
最初のエントリーは1・2・2で始めます。ウイングがVカットでミートアウト、1はパスしたらボールサイドカットでボールサイドへ行きます。

図2
5はミートアウトしてボールを要求。3はタイミングを計るため押し込んでからミートアウト、4は逆サイドにボールを要求、1は図ではショートコーナーまで来ていますが実際は動いている状態でブロックぐらいを走っています。2のボールマンはそれぞれ4箇所が見れるようにならなければいけません。基本パターンではミートアウトしてきた3にパスしてボールサイドカットをします。

図3
4はミートアウト、5はタイミングを計るために押し込んでからミートアウト、1はヘルプサイドでボールを要求、2はタイミング的にはボールサイドカットの途中。基本パターンではミートアウトしてきた5にパスをしてボールサイドカット。

図4
繰り返し。

オプションの例
図5 ミートアウトした1番にパスをしたとき、4がヘルプサイドからカットする。ウイーブ

図6 ミートアウトした1番にパスをしたとき、2番がフラッシュして空いたスペースに4が走りこんでバックドア

このときパスしたものがボールサイドカットするとスペースをつぶしてしまうのでアウエイカットになります。アウエイして他の者にスペースを使わせるという余裕を持った気持ちが必要になります。

ディフェンスがペネトレートに備えてきちんとポジションを取るチームほどこのオプションは機能します。

図7 コーナーの3番にボールが渡ったら、2番がヘルプサイドからベースライン沿いにフラッシュして空いたスペースを4番が走りこむ。ローテーション。このときも1はアウエイカットです。しかし、1がセンターであればボールサイドカットからシールさせても良いでしょう。

その他、多数のプレーが考えられます。自由がきくので今はポストで攻めさせようと思えばミートアウトさせないでシールだけやらせてポストを集中して使うことができますしこの子にアウトサイドからペネトレートを練習させようと思えば周りの選手がミートアウトしてやらせることも可能になります。これにスクリーンをからめればもっと有効なオフェンスになると思いますが、選手の習熟具合によりますがディフェンスを見ながら状況判断することがなかなかできないので試合で使えるようになるには時間がかかります。このオフェンスを指導するには指導者、選手共に忍耐力が必要です。

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